不登校の対策としての留学が増えているようで、不登校の留学を専門としているWSOセンターには、年に600件以上の問い合わせがあるそうです。
不登校と一口に言ってもその原因やきっかけ、状況も子どもによってさまざまです。海外留学が全ての不登校の対策になるとは言えませんが、留学が持つ可能性と危険性について少しまとめてみたいと思います。
不登校の子どもが全てやる気をなくし、家に閉じこもっているわけではありません。彼らの中にはやり直したい、もう一度学校に行きたい、友達と一緒に過ごしたい、勉強したい、という強い気持ちを持っていても、それでも不登校で苦しんでいる子どももいます。
不登校の原因には、いじめによるトラウマ、日本の学校の息苦しさ、いわゆる「浮きこぼれ」、学業不振によるストレスなど、いろいろあるようです。
留学し、そのまま海外の高校を卒業すれば、将来的には日本の大学に入学する可能性も出て来ますし、日本を出て自分の持つ才能に気がつくこともあるでしょう。学習障害やギフテッドのように日本ではまだ理解が進んでいない問題があって不登校になっている場合にも、サポート体制のある学校へ留学することで道が拓けるかも知れません。留学を一つの選択肢として、留学の可能性やリスクを考えてみましょう。
不登校対策として、留学することで、違う自分になりたい、再スタートを切りたい、思いっきり勉強したい、と期待する気持ちはわかります。でも留学によって環境を変えるだけで不登校に繋がった問題が全て解決するわけではありません。
子どもが自らの意志で留学したいと思うのでなく、「不登校は世間体が悪いから。」と親が子どもを厄介払いするように留学させた場合はまずうまくいきません。
留学することで不登校という環境を変えるだけではなく、自分も変えていかないと、結局は同じことの繰り返し、それも留学すると言葉が不自由な分もっと辛い思いをすることになってしまいます。留学生としてやっていける資質がなければ、不登校であったかどうかに関わらず、留学先での成功は難しいでしょう。
不登校の原因に不規則な生活習慣がある場合は特に、留学しても難しいでしょう。留学先で不登校を繰り返せば出席日数が不足し学生ビザが打ち切られ、帰国を余儀なくされます。自分を客観的に見つめる力があり、新しい環境で協調性と柔軟性を持って対処していくことがなにより必要です。
留学には失敗ももちろんあるでしょうし、日本に居るよりももしかしたらもっと多くの失敗を経験するかも知れません。しかしその失敗を糧に前に進んでいけるうたれ強さがないと、不登校からの留学は成功しません。もう一度本当の自分を取り戻したい、学校生活を楽しみたい、という強い意志があるのであれば、留学という旅に出てみるのもいいかもしれません。不登校で苦しんでいる子どもにとって留学が人生の転機になることももちろんあるでしょう。大切なのは自分の意志だということを忘れずにいれば、人生はやり直しがきくものですから。