日本人の3人から4人に1人はいわゆる「頭痛持ち」なのだそうです。頭痛を訴えて病院を訪れる外来患者は、全体の1割を超えるとも言われるほど身近な頭痛ですが、頭痛にはいくつかのタイプがあります。一番多いのが緊張性頭痛、次いで片頭痛、それから群発頭痛です。
片頭痛を訴える患者のほとんどが女性だそうですが、これは女性ホルモンのエストロゲンが関係していると考えられています。血液中のエストロゲンが何らかの要因で減少すると、脳内のセロトニンという物質も同じように減少し、そのことが血管を拡張させるために、片頭痛が起こるとされています。エストロゲンの減少は生理周期の中でも起きますし、思春期、妊娠・出産、更年期にも起きます。
更年期障害とは卵巣機能が低下するに従ってエストロゲンの現象が起こっているのに脳下垂体からは性腺刺激ホルモンが活発に分泌されてしまう、アンバランスな状態によって引き起こされる症状です。つまり45歳を過ぎた頃から起こる片頭痛は、女性ホルモンの分泌が低下したことによるものであり、更年期障害と大きく関わっているということです。それ以前でも片頭痛に悩まされて来た人が、更年期障害で痛み方が変化するということもあります。
また、更年期障害そのものが頭痛を引き起こさなくても、更年期障害の他の症状、例えばほてり、のぼせ、不安感、めまい、肩こりなどがストレスになり、そのことでさらにホルモンバランスが崩れて結果として片頭痛が起きやすくなることもあります。
また更年期障害の肩こりは緊張性頭痛の原因にもなります。中には更年期障害による片頭痛と緊張性頭痛と両方で起き上がれなくなり、外出もままならないほど重い症状に苦しむ人もいます。ストレスや肩こりだけでなく、更年期障害からうつ病になり、そのことで頭痛を併発する場合もあります。更年期障害と頭痛は、深く関わっているということがおわかりいただけたでしょうか。
頭痛には高血圧などの生活習慣病や、脳腫瘍などの病気が隠れていることもありますから、年齢的に更年期障害なんだろうと思って我慢したり甘く見たりせず、きちんと診断を受けるようにしましょう。
更年期障害による頭痛は薬でも緩和されますが、ここでは家庭で手軽にできる頭痛対策として、アロマバスとハーブティーをご紹介します。
お風呂に自分の好きな香り、或いはリラックス効果のあるクラリセージやセラニウム、ラベンダーなどの香りを2、3滴落とし、よくかき混ぜてからお湯に浸かるようにし、ゆっくりと深呼吸します。
吸い込まれたアロマオイルは脳の視床下部と下垂体に影響を与えると言われています。視床下部は自律神経のバランスに、下垂体は女性ホルモンの分泌に関わっている部分です。
同様にハーブティーも更年期障害の頭痛に効果があると言われています。ジャスミンティーは気持ちを落ち着かせ、自律神経を整える働きがあるため、更年期障害全般に効果があります。セントジョンズワートは更年期障害で気分の落ち込みやうつ状態の人にお勧めですし、痛みにも効果があるとされています。心と身体の両方にアロマオイルやハーブの香りが行き渡り、リラックスすることで更年期障害を和らげることができるかもしれませんね。